老犬・老猫の鼻のカサカサ・ひじの黒ずみが気になったら|ノーズバーム・ひじ保護サポーターの選び方
鼻先が白っぽくカサついている、ひび割れのような線が入っている。ひじの外側の毛が薄くなって、皮膚が黒っぽく硬くなってきた——シニア期の犬猫と暮らしていると、こうした「皮膚の端っこ」の変化に気づくことがあります。
どちらも急を要するものではないことが多い一方で、放っておくとひび割れが深くなったり、硬くなった部分が擦れて傷になったりすることがあると言われています。この記事では、私たち編集部が「ノーズバーム」「ひじ用保湿バーム」「ひじ保護サポーター」の3つについて、選ぶときに確認したいポイントを整理しました。
なぜシニア期は鼻やひじのカサつきが気になりやすいのか
一般的に、年齢を重ねると皮膚の水分や皮脂のバランスが変わりやすく、鼻先や肉球のように毛で覆われていない部分は乾燥の影響を受けやすいと言われています。空気が乾きやすい季節には、その変化が目に見えやすくなることもあります。
ひじについては、寝ている時間が長くなり、硬い床の上で体を横たえる時間が増えると、体重のかかる骨の出っ張った部分の皮膚が厚く硬くなっていくことがあります。これが一般に「ひじだこ(胼胝)」と呼ばれる状態で、大型犬や体重の重い子、フローリングで過ごす時間が長い子に見られやすいとされています。
カサつきやひじだこそのものは、多くの場合ゆっくり進む変化です。だからこそ、気づいたときに保湿と「当たり方」の見直しを並行して始めておくと、日々のケアとして続けやすくなります。
ノーズバームの選び方
鼻先のカサつき・ひび割れのケアとして、まず検討しやすいのがペット用のノーズバームです。
- 舐めても問題になりにくい成分か: 鼻は舌が届く場所です。ペット用として販売され、成分表示が明記されているものを選ぶと安心です
- 無香料・低刺激か: 犬猫は嗅覚が鋭いため、香りの強いものは嫌がる原因になりやすいと言われています
- 塗りやすい形状か: スティックタイプは手を汚さずにさっと塗れ、ジャータイプは量を調整しやすいのが特徴です
- ベタつきが少ないか: 塗った直後に床やクッションに鼻をこすりつける子もいるため、なじみやすいテクスチャーかどうかも確認したい点です
人用のリップクリームや保湿剤は、ペットが舐めることを想定していない成分が含まれる場合があるため、ペット用と明記された製品を選ぶのが一般的です。
ひじ用保湿バームの選び方
ひじの硬くなった部分には、肉球やひじなど「厚い皮膚」向けに作られた保湿バームが選択肢になります。鼻用と兼用できる製品もありますが、ひじ向けには次の点を確認しておきたいところです。
- 硬くなった皮膚になじみやすい、やや固めのテクスチャーか: 柔らかすぎるものは被毛に吸われてしまい、皮膚まで届きにくいことがあります
- 被毛の上からでも塗り込みやすいか: ひじの周りは毛が残っていることが多いため、指で塗り込みやすいものが扱いやすいです
- 肉球・鼻と兼用できるか: 1本で複数部位に使えると、ケアの手間を減らせます
- 舐めても問題になりにくい成分か: 鼻と同様、ひじも舐めやすい場所です
保湿バームは、硬くなった皮膚がそれ以上ひび割れにくいようにうるおいを補うためのものです。すでに厚くなった部分を元どおりにするものではない、という前提で取り入れると、期待値のズレが起きにくくなります。
ひじ保護サポーター(エルボーパッド)の選び方
保湿と並んで大切なのが、そもそもひじに体重がかかりすぎない状態をつくることです。ひじ保護サポーターは、ひじの部分にクッションを当てて、床との接触をやわらげるためのアイテムです。
- サイズ・締め付けの調整ができるか: きつすぎると血行の妨げに、ゆるすぎるとずれて擦れの原因になります。面ファスナーなどで微調整できるものが扱いやすいです
- クッションの厚みと位置: ひじの出っ張りにパッドがきちんと当たるか、商品画像や説明で確認しておきましょう
- 洗いやすく、乾きやすい素材か: 毎日使うものなので、洗い替えができるかどうかも重要です
- ずれにくい形状か: 前脚全体を覆うタイプ、肩からつなげるベスト一体型など形状はさまざまです。歩き方や体格に合うものを選びます
サポーターは着けっぱなしにせず、着け始めは短時間から様子を見るのが一般的です。皮膚が蒸れていないか、擦れて赤くなっていないかをこまめに確認してください。
比較表:何から取り入れるか
| ノーズバーム | ひじ用保湿バーム | ひじ保護サポーター | |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 鼻先のうるおいを補う | 硬くなった皮膚のうるおいを補う | 床との接触・圧をやわらげる |
| 向いている場面 | 鼻のカサつき・ひび割れが気になる | ひじの皮膚が厚く硬くなってきた | 寝る時間が長く、硬い床で過ごすことが多い |
| 手間 | 1日数回さっと塗る | 毎日塗り込む | 着脱と皮膚チェックが必要 |
| 向いていない・慎重に検討したい場合 | 塗るとすぐ舐め取ってしまう子 | 患部がジュクジュクしている・出血がある | 着衣を強く嫌がる子、皮膚炎がある部位 |
ひじだこが気になる場合は、バーム(うるおい)とサポーター(当たり方)を組み合わせて考えるとバランスが取りやすくなります。あわせて、寝床そのものを体圧が分散しやすいものに見直すことも、ひじへの負担を減らす方法のひとつです。
こんな場合は動物病院へ相談を
- 鼻のひび割れから出血している、かさぶたができている
- 鼻の色が急に変わった、鼻の形が変わってきた、鼻水や鼻血が出ている
- ひじの部分が赤く腫れている、ジュクジュクしている、膿のようなものが出ている
- 硬くなった部分を気にして、しきりに舐めたり噛んだりしている
- 鼻やひじ以外にも、皮膚のカサつきや脱毛が広い範囲で見られる
鼻の変化は乾燥だけでなく、皮膚の病気や免疫に関わる病気が関係していることもあると言われています。また、ひじだこは傷ができると治りにくく、感染を起こすこともあるとされています。保湿ケアで様子を見てよいかどうか迷ったときは、早めに動物病院で相談してください。ケア用品を使う場合も、最終的な判断は獣医師の診察に委ねるのが安心です。
まとめ
鼻先のカサつきにはペット用のノーズバーム、硬くなったひじには厚い皮膚向けの保湿バーム、床との当たり方を見直したいときにはひじ保護サポーターが選択肢になります。どれも「すでに変化した部分を元に戻す」ものではなく、これ以上ひび割れたり擦れたりしにくい状態を保つためのケアと考えると、取り入れ方を決めやすくなります。
ひじへの負担は、寝床の硬さとも深く関わっています。寝床の見直しを検討している方は、老犬・老猫の寝床を見直す|関節にやさしい低反発ベッド・床ずれ防止クッションの選び方もあわせてご覧ください。